判例 8 子の監護権者の指定・子の引き渡し

先に子どもを引き取っていたもの勝ち? の事例

一方の共同親権者の監護下にある未成年者を他方が違法に連れ去った場合における子の引き渡しを求める審判前の保全処分
(平成20年12月18日 東京高等裁判所決定)

共同親権者である夫婦の別居中に,その一方の下で監護されていた未成年者を他方が一方的に連れ去った場合において、従前未成年者を監護していた親権者が速やかに未成年者の仮の引き渡しを求める審判前の保全処分を申し立てたときは、従前監護していた親権者の監護化に戻すと未成年者の健康が著しく損なわれたり、必要な養育監護が施されなかったりするなど、未成年者の福祉に反し、親権行使の態様として容認することができない状態となることが見込まれる特段の事情がない限り、その申し立てを認め、その後の監護者の指定等の本案審判において、いずれの親が監護することが未成年者の福祉にかなうかを判断するのが相当である。

執行当時7歳9か月の児童の引き渡しの直接強制を是認した事例

執行官の処分に対する執行異議事件
(平成21年4月28日 東京地方裁判所立川支部決定)

(裁判要旨)
一般的に、小学校低学年程度の年齢の児童は、善悪・適否の判断能力を持っておらず、意思能力を有していないと解するところ、執行官が行った方法は、違法又は不当なものとはいえない。

(事実経過)
申立人(妻)と申立人の夫(B)の間に長男(C)をもうけたが、申立人の不貞等が原因で不仲となり、離婚調停を申し立てたが、子の親権者について合意が得られなかった。
申立人はBに無断でCを連れてBと別居。
東京家庭裁判所八王子支部は、Cの監護者をBと定め、申立人に対しCをBに引き渡す審判をした。
申立人は東京高等裁判所に即時抗告をしたが、棄却。
Bは東京地方裁判所八王子支部執行官に対し、引き渡しの強制執行の申し立てをした。
執行官は申立人の住所地付近の路上でCを確認、執行に着手した。その際B及びBの代理人弁護士が立ち会い、執行場所でCをBに引き渡した。
申立人は東京地方裁判所八王子支部に対し,本件執行異議の申し立てをした。

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