判例 4 離婚手続き

離婚の意思

方便のために提出した離婚届が有効か争われた事案
(昭和38年11月28日 最高裁判所第一小法廷 )

(判例要旨)
 妻を戸主とする入夫婚姻をした夫婦が、事実上の婚姻関係は維持しつつ、単に、夫に戸主の地位を与えるための方便として、協議離婚の届出をした場合でも、両名が真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてこれをしたものであるときは、右協議離婚は無効とはいえない。

(主文)
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。

(理由)
 上告代理人木島次朗の上告理由第一点について。
 論旨は、本件協議離婚の届出は、離婚当事者の承諾なくして訴外Aによりなされたものであると主張する が、右届出が離婚当事者である上告人及びその妻Bの意思に基づいてなされたものであつて、Bの継父Aが 当事者の承諾なく檀になしたものでない旨の原審の事実認定は、挙示の証拠により首肯できる。所論は、証 拠の取捨判断、事実認定に関する原審の専権行使を非難するにすぎないものであるから、採用できない。

 同第二点乃至第四点について。
 原判決によれば、上告人及びその妻Bは判示方便のため離婚の届出をしたが、右は両者が法律上の婚 姻関係を解消する意思の合致に基づいてなしたものであり、このような場合、両者の間に離婚の意思がな いとは言い得ないから、本件協議離婚を所論理由を以つて無効となすべからざることは当然である。これと 同一の結論に達した原判決の判断は正当であり、その判断の過程に所論違法りかどあるを見出し得ない (所論違憲の主張は実質は単なる違法をいうに過ぎない)。所論は、原判決に副わない事実関係を想定する か或は原判決を正解しないで、これを攻撃するものであつて、採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

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