判例 1 回復の見込みのない重度の精神病

「民法770条は、あらたに「配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込がないとき」を裁判上離婚請求の一原因としたけれども、同条2項は、右の事由があるときでも裁判所は一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは離婚の請求を棄却することができる旨を規定しているのであって、民法は単に夫婦の一方が不治の精神病にかかった一事をもって直ちに離婚の訴訟を理由ありとするものと解すべきではなく、たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできる限りの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべきである。」
最判昭和33年7月25日(昭和28年(オ)1389号)民集12巻12号1823頁

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