婚姻とは、婚姻届を役所に提出することで成立するものですが、中には問題になることもあります。
婚姻が成立するためには、婚姻意思の合致、婚姻障害がないことに加え、戸籍法の定める届出が必要です(受理によって完了)。
婚姻届出に向けられた意思だけでは足りず、社会通念上夫婦として共同生活を送ろうという意思です。婚姻意思は、届出と受理の両時に存在しなければなりません。
判例
内縁の夫が婚姻届受理時に昏睡状態に陥りその後死亡した事案で、当事者に事実上の夫婦共同生活が存在していたとすれば、届出書受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理前に翻意するなど婚姻意思を失う特段の事情がない限り、届出書の受理によって婚姻は有効に成立する(最判昭44.4.3)。
単に子を嫡出子にすることだけを目的として婚姻届を提出したとしても、当事者には夫婦関係を成立させようという意思はなく、婚姻は無効(最判昭44.10.31)。
法律上、夫婦は同居し、互いに協力し、扶助しなければなりません。
婚姻生活の平穏を乱した場合には、その者は不法行為責任(慰謝料の支払い義務等)を負います。ただし、すでに婚姻関係が破たんしていた場合には、特段の事情がない限り負わないとされています。これは離婚の合意が成立していなくても、すでに破たんしてしまった婚姻関係は法的な保護に値しないと考えられるからです。
夫婦間の契約はいつでも取り消すことができます(ただし第三者の権利を害することはできません)。契約の履行後でも取消できます。とはいうものの、夫婦関係がすでに破たんしている場合には取消できないとされます(最判昭33.3.6)
夫婦は、婚姻の届出前に婚姻中の夫婦財産関係に関する契約をすることができます。
夫婦がこの契約をしたときには、婚姻の届出までに登記をしなければ夫婦の承継人及び第三者に対抗することができません。また、夫婦の財産関係は、婚姻届出後は変更できませんが、管理が適当でないときに管理者の変更を家庭裁判所に請求できます。いずれも登記をしなければ夫婦の承継人及び第三者に対抗することができません。
夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担します(民法第760条)。
婚姻費用とは、婚姻生活で生ずる費用一切をいいます。別居中の夫婦についても分担義務がありますし、過去の分担請求も認められます。離婚になった場合には、別居後から離婚までの間の費用を請求できるわけです。
未成年者が婚姻をした場合は成年と扱われます。これを成年擬制といいます。法律行為等をするにあたって父母の同意が不要になり、親権も及びません。これは未成年者であるうちに離婚や婚姻の取消があってもそのままです。ただし、飲酒、喫煙ができるようになるわけではありませんし、選挙権も与えられませんのでご注意下さい。