面接交渉を制限されるような事案を除き、離婚しても親子の絆は一生つながったままです。たとえ父母が憎しみ合ったとしてもそれは子供の気持ちとは無関係です。父母の感情だけでみだらに「世界でたった一人の父親・母親」と会うことを禁止するのは、子供のためにはなりません。
子供との継りを大切にするための面接交渉権を考えましょう。
面接交渉権とは、「夫婦が別居または離婚した場合に、未成年の子どもを養育していない親が子どもに会い、交流する権利」と一般的に説明されていましたが、平成12年最高裁判所決定により「面接交渉を求めることができる請求権ではなく、子のために適正な措置を求める権利」であると解されるようになりました。ただし、面接交渉権に関する最初の審判例とされる東京家審昭39.12.14は、「親権若しくは監護権を有しない親は、未成熟子と面接ないし交渉する権利を有し、子の権利は、未成熟子の福祉を害することがない限り、制限され又は奪われることはない」と判示しています(家月17巻4号55頁)。
面接交渉権は「子の監護に関する処分」(家事審判法第9条1項乙類4号)に該当します。「父又は母と子との面会及び交流」を子の監護に関する処分の一内容とし、かつ、その処分にあたっては「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」とされています。別居状態にある父母が子に面接交渉する場合にも同様です。したがって、必ず面接交渉をすることができるとは限りません。
協議で決めておいても、後でトラブルになることが多いのがこの面接交渉です。今の制度上では、実効力のある方法がありません。
調停・審判を経た場合
再度の調停で面接交渉を求める(元配偶者の住所地を管轄する家庭裁判所へ)履行勧告を家庭裁判所に申し立てることができます。しかし、上記方法でも強制力がありません。また、家庭裁判所の審判事項になっているため、離婚訴訟においても判決でお子さんとの面接交渉を命じてもらうことはできません。事後的には損害賠償請求を検討する方法もありますが、金銭解決ですから、子どもに会えるわけではありません。一般的に親権者や監護権者にならない父親にとっては公正証書はあまり役立たないと思われがちですが、トラブルを防止するためには、制裁条項を加えた離婚協議書、公正証書が有効です。
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